臨時増刊「鶏の研究」第33号
1964年、イギリスで戦後の工場的畜産の問題を最初に暴いた「アニマル・マシーン」の出版から約半世紀、消費者の価値観は時代と共に変化してきた。現在、多くの国や企業がケージフリー化の目標年とする2025年に向けて、ザ・ヒューメイン・リーグ・ジャパンの上原まほ氏に、世界および日本におけるケージフリーの歩みと今後を解説して頂いた。
ケージフリー飼育において、実際に導入される飼育システムは多岐にわたり、アメリカでは各州によるケージフリーの法制化に応じて使用されるシステムも変遷を続けてきた。本稿ではビッグダッチマン社のケージフリーシステムの輸入を行う東西産業貿易株式会社の陰山秀雄氏に、欧州やアメリカでのケージフリーシステムの近況と、エンリッチドケージ、コンビ、エイビアリ―の各システムを詳細に解説して頂いた。
農林水産省は5月19日に「第二回アニマルウェルフェアに関する意見交換会」を開催し、畜種毎の「飼養管理等に関する技術的な指針(案)」を公表し、意見や情報を募集した。本稿では、「採卵鶏の飼養管理に関する指針(案)」に記載の「1管理方法」から「6その他」までの各項目と「(参考)採卵鶏の測定指標」の内容を掲載。また、今回の指針に対して同省が発表した「家畜の飼養管理指針等に関するQ&A(案)」についても主要部分を抜粋し掲載する。
第三者民間認証登録認定機関であるエコデザイン認証センターによる、生産から販売までのトレーサビリティの原則について、一覧表でわかりやすく解説する。
平飼い鶏卵では自社認証もしくは二者認証を実施している組織は散見されるが、第三者認証を実施している組織はない。このような状況下で株式会社エコデザイン認証センターは、同センター内に「平飼い鶏卵基準作成検討委員会」を設置し、世界水準をベースにわが国の実情に即した平飼い鶏卵基準を作成することとした。本稿では同センターでの平飼い鶏卵第三者民間認証について紹介する。