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臨時増刊「鶏の研究」第25号
第25号
2018年8月発行
アニマルウェルフェア 6
- アニマルウェルフェアに関して20年間の歩みとこれからの動静
− 1999年のEU指令からアニマルウェルフェアの動きは始まった。「アニマルウェルフェアに対応した家畜の飼養管理に関する検討委員会」委員を務め、自社においてもアニマルウェルフェア対応のケージシステムを取り扱う東西産業梶E村田良樹代表取締役会長に、現在までの動向を今一度整理頂くと共に、業界はどのように進んでいくのか、動静を考察願った。
- アニマルウェルフェア畜産物の生産・流通・消費拡大の可能性と課題
− アニマルウェルフェアは欧州、とりわけイギリスに長い歴史があり、いまでは世界的に取り組むべき重要課題として位置付けられている。本稿では、アニマルウェルフェアについて欧州で何度も視察を重ねてきた日本獣医生命科学大学・植木美希教授に、採卵鶏に関するEU規則とその現状、またアニマルウェルフェアに関連のある企業の動向等について、解説して頂いた。
- ESG投資とアニマルウェルフェア
− アニマルウェルフェアは一般に動物愛護と倫理の問題と思われがちだが、欧州の機関投資家は投資のリスクと機会の問題として捉え始めている。投資を牽引する欧州で注目が集まっている以上、いずれ日本でも顕在化する可能性がある。本稿では、投資家の視点から見た畜産と薬剤耐性の問題について、高崎経済大学・水口剛教授に詳述頂いた。
- 日本発信 アジアの採卵鶏アニマルウェルフェア
− 欧米のアニマルウェルフェアは、エンリッチドケージ生産者の苦境や、流通・サービス業関係会社による平飼い卵のみの取り扱い宣言等、生産者・消費者が場外に置かれたまま一人歩きの状況を呈している。このような中、日本のアニマルウェルフェアの方向はどうあるべきなのか。潟nイテム・安田勝彦代表取締役社長に考察頂いた。
- 最近のアメリカにおけるアニマルウェルフェアの実態
− 欧米では、ケージフリー等、アニマルウェルフェアを推進する動物愛護団体による業界への影響も無視できない。ザ・ヒューメイン・リーグは、アメリカに本拠を置くこうした団体の一つで、全量平飼卵調達を企業に働きかける活動を行っている。昨年には、日本支部を開設して日本企業への活動も開始している。本稿では、同団体の上原まほ氏に昨今のアメリカにおけるAWの実態を中心に、欧州や台湾、そして日本での状況についても触れて頂いた。
- アニマルウェルフェアおよび養鶏経営安定対策について
−平成29年12月12日に開催された、第195回国会農林水産委員会第6号の議事録より、佐藤公治(広島6区)衆議院議員がアニマルウェルフェアおよび養鶏経営安定対策について行った質疑応答部分を抜粋し掲載する。
- アニマルウェルフェアに対する日本企業の取組み・消費者の認識
− 世界的企業による鶏卵の「ケージフリー」切替宣言等、世界的にアニマルウェルフェアに対する企業の取組みと、それに対する投資家の関心は高いが、日本企業の取組みはどうなのか。また、それらを支える国内消費者の意識はどのようなものか。本稿では、BBFAWの2016および2017年版報告書と、2016年に東京都市大学環境学部・枝廣淳子研究室が実施したアニマルウェルフェアに関する企業向けおよび一般消費者向け調査の結果をベースに、同調査協力を行った幸せ経済社会研究所の新津尚子研究員に、まとめて頂いた。